複雑なトポグラフィー─パビリオン

芸術がそれだけで存在できると考えるのは間違っている。単独で存在できるものなどない。すべてのものは、場所や、人や、私たちを取り巻く文化がつくり出す力による刺激と反応、作用と応答とが複雑に絡み合う空間の一部として存在する。

「複雑なトポグラフィー─ パビリオン」は、ロンドンと東京から集まった16人の大学院 生が、イギリスの海岸沿いの町フォークストンの崖の上で、このプロジェクトのために特別にデザイン・設置される「パビリオン」を拠点に交流を行うコラボレーションプロジェクト である。パビリオンは、このコラボレーションプロジェクトのコンセプトを物理的に体現するものであると同時に、イベント、アクティビティ、パフォーマンス、プレゼンテーション、トーク などの活動やインスタレーション作品など、様々なプロジェクトに観客が出会い、参加する場所となる。アーティストたちは、本年のフォークストン・トリエンナーレのテーマ「ダブ ル・エッジ」に応答しながら、場の文脈や観客の特質と向き合い、介入していく。そこでは、印象的な素材を使用した有形の彫刻作品だけでなく、儚く、一時的で偶発性に富み、広がりをもった作品たちが、ロンドン・東京・フォークストンという全く異なる 3 つの視点を表現することになるだろう。

東京藝術大学(以下 TUA)とロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校(以下 CSM)は2015 年より連携を開始し、両校の教員と学生がお互いの国を行き来しながら共 同授業を行っています。初年には、東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻(以下 GAP 専攻)新設のための事前プロジェクトとして、2015 年 10 月に特別名勝栗林公園で展覧会「複雑なトポグラフィー ─ 庭園」を開催。翌年には、「瀬戸 内国際芸術祭 2016」秋会期の一環として、「複雑なトポグラフィー─ 動態と変化」展を同会場にて開催いたしました。

参加教員:
<TUA>
O JUN (東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻/大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻教授)

飯田志保子 (東京藝術大学美術学部先端芸術表現科/大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻准教授)

篠田太郎 (東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻准教授)

<CSM>

マーク・ダンヒル (ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校アカデミックプログラム学部長)

グラハム・エラード (ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校教授)

リチャード・ガスパー (ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校非常勤講師)

パビリオン・デザイン: グラハム・エラード&スティーブン・ジョンストン