1. 胡 雅静 & 孫 綺旋

2人のアーティストは、地元のパフォーマーによるパビリオンのガイドツアーを企画する。美術館や展覧会のガイドツアーによくあるように、ツアーの開始時間が告知され、ガイドがアーティストや作品の解説をする。しかし、信頼できる情報を得る代わりに、思いがけない方向に話が展開したり信じがたい説明を聞かされたりすることで、観客は明らかに何かが翻訳の過程で失われ、かつ生み出されたことを悟る。

2. ティファニー・ハウ

《THE THE》は、公園に佇むベンチを使用した作品で、ポエトリー・リーディングやトーク、ハプニングといったパフォーマンスが行われる場となる。ハウは、日本で手に入れた雑誌、フィギュア、おもちゃ、プラスチック製の寿司、絵の具など様々なものを混ぜ合わせて、ベンチをなかば暴力的に装飾した。絵画の拡張として制作される彼女の作品は、フォークストンの風景に祝祭的で、どこか機能不全で、終末的な印象を加えている。

3. 高 亢 & 趙 禎恩

高と趙は、コラボレーション作品として日本のレストランの入り口に掛けられる暖簾(のれん)を制作。大きな暖簾がパビリオンの二つの入り口を飾る一方、小さな暖簾はフォークストンの地元のレストランに提供され、店の軒先に掛けられるようになっている。レストランの名前は彼らの言語に翻訳され、トリエンナーレにおける交流の証となる。

4. 張 清

VR技術を利用したこの作品は、パビリオンのパノラマ写真に加工を施し、フォークストンの狂信的かつ超現実的な解釈を表現する。パビリオンの外側にあるサインから携帯電話でQRコードを読み込むと、ウェブサイト上で作品を鑑賞することができる。

5. アンドレス・カチョ

この作品は二つの要素により成り立つ。退役軍人が大工の技術を学ぶフォークストン・シェッド・プロジェクトと共同し、日本でよく見かける木の枝を支える柱をヒントに、サイト・スペシフィックで建築的な介入を施す。一方で、パビリオンの建設で余った木材は、日本の道具を用いて手作業で美しい箸に加工され、訪れた観客にお土産として配られる。(フォークストン・シェッドは、シェプウェイ・ボランティア・センターの一部です)

6. モニカ・エンリケズ・カスティリョ

色とりどりのプラスチックのシートで折られた何百もの魚の折り紙をつなぎあわせ、そこに文化的に特徴あるその他の素材を組み合わせた象徴的な旗は、イギリスと日本それぞれの要素を融合させるものである。旗はパビリオンの中心に据えられ、目印として機能する。

7. カタリナ・ヴァジェホス

フォークストン滞在中に集められた事実とフィクションの織り交ざるインタビュー、お話、報告、イメージなどを基に、アーティスト自身の個人的な経験、出会い、それに対する反応などが語られるウェブサイトを立ち上げ、プロジェクト期間中に更新していく。
http://howtomakeafolkestone.life/

8. マリア・フェロヴァ

このプロジェクトは、アガサ・クリスティーが1930年代、フォークストンのグランド・ホテルに滞在していたときに執筆されたとされる有名な小説『オリエント急行の殺人』に基づいている。クリスティーのベッドルームを模したセットで、アーティストは地元のパフォーマーなどと共に朗読あり歌ありのパフォーマンスを行う。作品は、クリスティーの人生と1980年代に活動したロシアのパンク・バンド「アガサ・クリスティー」の融合を試みるもので、小説家とその小説家にちなんで名付けられたバンドが混合した状態で再生する。

9. ファビオ・ダルティツィオ

儀式的な行進に使われるデザインを基に作られた大きな木の構造体は、コスチュームを着た4人の担ぎ手が支えるパフォーマンスの土台となる。木の部分は古さを出すため故意に暗い色に加工されているが、担ぎ手の肩当てとなる部分はポケモンのキャラクターが使われている。儀式は、その明確な機能と意義を称賛すると同時に批判することを試みるもので、混乱と矛盾を招くように設計されており、様々な隠喩的メッセージをもたらす。

10. 馬渕 一樹

よく知られているように、日本では古くから魚が食生活の中心で、生でも調理しても食べる。フォークストンの漁業の歴史と文化に強い関心を抱いたアーティストは、地元の漁師と出会い、交流しながら一週間を過ごした。作品は彼の体験やそれに対する応答など、個人的な物語に基づく表現となる。

11. ダイアナ・ロイド

60年代にもの派(日本)やフルクサス(欧米)が行ったアプローチを応用し、フォークストンで集めた素材やオブジェを使って観客を招き入れながら彫刻的アッサンブラージュの制作を行う。作品の形態や物質性は、参加者が突発的で予測不可能な芸術作品の創造にどのように関わるかによって発展し、広がっていく。

12. 原郷 瑞希

「瓶に入ったメッセージ」のイメージやステンドグラスの窓に着想を得て、フォークストンの地元の店、バー、ホテルなどから集めて来た瓶のボトルを作品化する。訪れた人は個人的なメッセージや願いを和紙に書き、瓶に入れる。メッセージの詰まった瓶は、海へ漂流の旅に出る前にパビリオンに展示され、ステンドグラスのような効果をもたらす。

13. 罗溦

「双頭の鶏」という英語の言い回しと、出身地である中国の国の形につながりを見出したアーティストは、日本、中国、イギリスから集めた素材を使って精巧かつ即興的に作ったコスチュームを用いたパフォーマンスを行う。パフォーマンスは、リーズ通りとパビリオンの周辺で期間中継続的に行われる。

14. 灰原 千晶

イギリスへの到着と出発を意味する象徴的な場所として有名な、ドーバー海峡に面したホワイト・クリフに魅了されたアーティストは、地元の大きな石灰の塊を使ったドローイングをパフォーマンス作品として見せる。作品はプロジェクト期間中、継続して進化、発展していく。